47 来年はぜひ新たな気持ちで!
2021年も終わろうとしています。皆さんから数々の勇気と元気をいただきました。本当にありがとうございます。とっても早い1年でした。2022年に向けて、生徒の皆さんにメッセージを送りたいと思います。
私は大学4年の夏に富士山に登りました。富士登山には開山期間があり、期間内にバイト等で仲間が揃うのはこの日しかなかったため、とりあえず行程を計画し、用意して夕方登山口に到着しました。そのあとすぐ登りはじめ、途中の山小屋で仮眠を取り、「ご来光」を見るために深夜に再び登り始めるという強行軍での登山でした。
標高が高くなるにつれしだいに空気が薄くなりました。また、風が強く視界も悪く、やがて吐き気がし、頭がガンガン痛くなり、息も絶え絶えになっていきました。これ高山病かな?と思いながら、8合目から9合目にかけては、これ本当に冗談ではなく「死ぬ思い」でした。10メートル毎に休憩し、息を整え、もう帰ろうという仲間もいましたが、憧れの富士登山、ここで止めたらなぜ来たのか!最後は「死んでも絶対登る(笑)」という悲壮な覚悟で登りました。
頂上を目指す際に心掛けたのは決して頂上を見ないことでした。頂上は気が遠くなるほど遠く、頂上を見ると「とてもあんなところまではいけない」と思います。だから頂上は見ず、あと10メートル…、あの角まで…。ひたすら目の前にある目標だけを追っていきました。また、仲間がいたから登れたと思います。
勉強や部活動もこれと同じだと思います。高い目標を持つことは必要ですが、だからといってその目標にすぐたどりつけるわけではありません。とりあえず実現可能な低い目標を設定し、それをこなす。今日1日の予定、1週間の予定、定期考査で「〇点とろう、クラスの何番以内に入ろう」などという目標を立てるのです。一度達成感を味わうと、またやろうという気持ちが湧いてきます。こうしたことを何回か繰り返すうちに、知らないうちに大きな目標に近づいていくものです。仲間がいれば、さらに勇気が出ます。
すべての教科を一度にする必要はなく、とにかく最初にできそうなハードルを一つ設定し越えていく。一つ越えると、そのことが次のハードルを越える力となります。そうして100日(3カ月)も努力すれば、見違えるほど実力がついています。ふと振り返ってみると、いつの間にかずいぶん山の高いところまで来ていることに、自分自身びっくりすることがあるものです。
「努力」という言葉は、明日から頑張ろうという未来のことに使う言葉ではなく、のちに振り返った時、「あのときは良くやったなあ」という過去の出来事に対して使う言葉のように思います。
「明日からがんばる、次は頑張る」という言葉をよく聞きますが、有言実行しているかが大事です。決めたことを必ずやるという強い意志をもってやりきることです。それを積み重ねていくと必ず自分自身が変われます。とりあえず一歩踏み出してみることです。
来年は寅年です。ぜひとも皆さん自身が新たな気持ちでトライしてください。皆さんのトライを楽しみにしています。良いお年を。