278 「闇バイト」を考える!

9月1(金)定時制では、敦賀警察署の方にお越しいただき、「闇バイト」について考える機会を設けました。

「闇バイト」というと、去る5月8日に起きた、東京・銀座の高級腕時計「ロレックス」専門店での強盗事件を思い浮かべます。人通りの多い白昼堂々行われた強盗は、同日に住居侵入容疑で逮捕された16〜19歳の少年4人が関与したとみられており、その手口は極めて稚拙かつ粗暴であり、プロの犯行ではなく犯罪組織により募集された末端の「闇バイト」によるものと注目されました。

「闇バイト」は「高収入」を謳ってSNSや掲示板などで募集が行われ、「軽い気持ち」でアルバイトを始めさせるものですが、個人の身分証や実家の情報などを提供させることで、一度手を染めると犯罪組織から逃れられないような手口を用いているものです。

「闇バイト」は、若者の「将来を顧みない安易で短絡的な考え」が問題とされています。若者の自己責任やその若者を育てた親の責任へと関心が向きがちですが、この問題には経済的な背景があることも見逃すことができません。

特に、高校や大学といった学校の卒業後にあたり、学校から仕事への移行の困難が伺えます。学校卒業後に無業者(ニート)や非正規雇用となる者が増加したことが大きな要因だと考えられています。雇用が劣化した日本社会では、多くの若者が働いても生存ギリギリの非正規雇用か、額面の給料は非正規より高くても(時給換算では非正規と変わらないことが多い)過重労働で心身を消耗する正社員かという選択を迫られることになるようです。

「普通」の仕事よりも、「闇バイト」の方が「コスパがいい」とすら感じる若者が出てきてしまう背景には、そうした雇用問題あると考えられると言います。ただし、「闇バイト」は貧困や労働問題だけに起因しているわけではなく、「浪費」によって家計が負担になるケースも多いようです。若者が多いということですが、収入が少ない一般人も「闇バイト」に手を出す傾向が増えているということでした。

定時制の多くの生徒はアルバイトをしています。安易に時給の高いアルバイトを選びがちになることもあるようですが、「働く」意味を考え、キャリアについてさらに深めていかないといけないなと感じました。敦賀警察署の方々、本当にありがとうございました。

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