335 「地理総合」の授業で防災を学ぶ!

大規模災害時の応急対策活動の中でも特に重要なものの一つが避難所運営です。市町村職員が運営の中心になることもありますが、1995年の阪神・淡路大震災以降は地域住民や避難者を主体とした避難所運営を目指すところも多くなっているようです。もし、自分が避難所運営にかかわることになったら…。

そこで、敦賀市危機管理対策課の方々に2週にわたってお越しいただき、敦賀市の地域防災について講義を頂くとともに、2週目の2/1には、避難所運営ゲーム「HUG」を用いて、実際に避難所を運営する模擬体験を行いました。

HUGは、とある町の避難所(小学校)が舞台です。プレーヤーは避難所運営担当者となって、避難所に指定されている体育館のほか、校舎や校庭等、学校の敷地を有効活用しながら、数多くの避難者を適切に配置できるか模擬体験します。

進行役1名、プレーヤー5~6名となり、進行役が避難者の情報が記載されたカードを順番に読み上げながら、プレーヤーに渡していきました。プレーヤーは、体育館や教室など避難者が生活するスペースに見立てた用紙に、避難者カードを並べていきます。避難者カード1枚の大きさを1人分の避難生活空間(約3㎡)と仮定し、 この縮尺に見合うような避難施設の大きさの紙を用意して行っていました。

避難者カードには、情報として避難者が抱える様々な事情が書かれており、プレーヤーには避難者の事情に応じて適切に配置することが求められます。より実際に近づけるため、進行役は短時間で次々と避難者カードを読み上げ、プレーヤーに余裕を与えないようにします。避難者カード以外にも、避難所で想定される出来事が書かれたイベントカードが混ぜられており、プレーヤーは避難者の配置以外にも、避難所運営のための課題を処理しなければなりません。ゲーム終了後に、避難者の配置方法やイベントの対処方法などについて話し合いを行い、より良い避難所運営のあり方を検討します。

1クラス4つのグループに分かれて、1時間授業で行い、終わった後には各グループを見て回りながら、自分達との違い等も確認し、振り返りを行っていました。

最初椅子に座って進めていましたが、5分も経過すると椅子から立ち上がって顔を寄せ合いながら真剣に議論しながら進めていました。すぐに判断をしないといけないと、次々に支持されるカードを配置している姿はさすがでした。

日ごろから自分の避難行動について考えることや災害時に備え、最低3日間~1週間分の食べ物などを蓄えておくことなども学びました。

実際に模擬体験することで、災害時における避難行動が自分事になりました。今後も授業と社会生活が密接に関連づけられるよう、取り組んでいきたいと思います。

今回は文理進学科1年生の2クラスの「地理総合」の授業で行いました。生徒たちは実際に避難所を運営するという疑似体験を行ったことで、普段ニュース等で見る光景が、少し自分事になったようです。今後もこのような機会を増やしていけたらと思っています。

敦賀市危機対策課の皆さん、お忙しい中ありがとうございました!

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