ウクライナ人研究者との講演会

2月22日(水)、福井大学附属国際原子力工学研究所が現在招へいを行っているオレナ パレニューク さんらウクライナ人研究者4名をお招きし、交流会を開催しました。交流会では、まず4人からウクライナの文化や地理について、またロシア侵攻後のウクライナの現状について、さらには原子力発電所の現状や攻撃による被害などについて、写真や映像を交えながら、福井大学の安田仲宏先生に解説や通訳をいただきながらお話をいただきました。

その後、8名程度の小グループに分かれて交流会を行ないました。生徒からは、日本の印象であったり、原子力発電所の安全性であったり、また女性科学者として子育てとの両立を図りながら研究に取り組むことの難しさややりがいについて質問がありました。漫画を書かれている方もいらして、漫画の話で盛り上がることもあったようです。4名の皆さんが率直に想いや経験を語ってくださったおかげで、ほんの1時間強の時間でしたが学びの多い充実した時を過ごすことができました。

生徒の感想です(一部を抜粋)

何よりも一番印象に残ったのはウクライナ人の方々の本音、実際の戦争の被害状況を知れたことです。ロシアへの憎悪、家族の安否への不安、そして破壊された美しかった街。それらを生で聴いて、私は薄れていたウクライナ問題の重大さを思い返すことができました。勿論、オレナさん達は戦争以外の楽しいお話も沢山してくれました。好きなアニメ、日本の好きな風景、科学への好奇心。話してみれば、言葉は違えど彼女達と自分は同じ人間だと痛感させられました。そう、同じ人間なんです、ロシア人もウクライナ人も日本人も。なのに戦争は未だ続いています。今、この瞬間も爆撃音へのPTSDで泣いている子がいるかもしれません、この瞬間にも家族を思い命を落としていく兵士がいるかもしれません。私達日本人にできることは支援と祈りだけかもしれません。しかし、それで彼らに少しでも救いが届くなら私達はそうしていくべきだと思いました。(2年女子)

私はこの交流会を通して、現地の人と交流しないとわからない事を知ることができました。私は、今年から難民、戦争などを主題とする創生部でウクライナの問題のことも一部ではありますが学んでいました。しかし、それで知れる情報もおおまかな戦争の状態や兵士の置かれている環境など一部の事に限られた情報だったと思います。そんな中、ウクライナ国籍を持ち、働く方々とお会いして、とても有意義なことをたくさん知れました。個人的に一番印象付いているのがSNSでのオフライン時間で「この人大丈夫かな?」と判断していることです。とてもストレスが溜まるともおっしゃっていて、「支援疲れ」が問題となっている中、まずは自分の意識からもっと高めたいと感じる貴重な機会となりました。(1年女子)

ウクライナでは女性研究者の割合は28%となっており日本の割合よりは高いが、それでもまだ低いということに驚いた。このような現状から自分たちがロールモデルとなり、研究者・科学者の魅力などを伝えようと国連の支援も受けながら映画を作ったことを聴いて、かっこいいと感じた。自分も研究者になりたいと考えているため、自分の目標となる方々とこのように交流できたのはとても良い経験になったと思う。(1年女子)

今日の講演の中で研究者の五人の方が精神的にも肉体的にも過酷な状況の中で自分のやるべきことを全うしようとしている姿を見てとても勇敢で、頼もしいと思いました。講演の「科学自身は危険ではないが使い方を間違う人によって危険なものに変わるという言葉はとても説得力が強くて腑に落ちました。」自分は将来科学の分野に進もうとは思っていませんが、皆さんのような強さを持てるように頑張りたいです。(2年男子)

Follow me!