57 「下町ロケット」ストーリーをお聞きしました
2月1日(火)「ふくいの産業」の授業で、情報経理科1年生が、福井経編(タテアミ)の社長秘書の方から企業内容についてお話をいただきました。「ふくいの産業」の授業は、火曜日の6限目に県内企業の方から、仕事内容や企業の取組等についてお話をいただくものです。今回は第13回でした。来年度は、商業科・情報経理科の1年生が受講します。
福井経編興業株式会社は、福井市にある中小企業ですが、阿部寛主演の「下町ロケット」のガウディ計画で、シルクの糸で人工血管を編めないかという内容があり、そのモデルとなった会社で、世界に知られている会社です。今回の授業でお聞きした内容は、次のとおりです。
・福井の地場産業である、繊維産業が時代とともに衰退していったこと
・その中で、国内にとどまらず世界への挑戦を試み、世界最高峰のファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」に参加したこと
・当時は難しいとされていたシルクの糸を編み込む技術を開発し、世界から「あそこは面白いものを作っている」と注目を集めたこと
・シルクなどの天然繊維は切れやすく、ましてやそれをハードな機械で編み込むというのは他社には決して真似できない技術だったことで、世界に認められたこと
・「私たちの技術が、病気で苦しむ人たちの助けになるかも知れない」という熱い思いから、繊維からメディカル分野へ挑戦し、6ミリ以下の細い小口径人工血管を開発したこと
・人工血管の成功から、先天性に心臓に病気のある子どもの手術に使う材料である心臓修復パッチを、成長に対応できるように改良し、埋め込んだ後は、子どもの成長と共に伸びていくような布素材の心臓修復パッチを作ったこと
・心臓修復パッチの開発に挑戦していることを社長が作家の池井戸潤氏に熱く語ったところ、偶然にも『下町ロケット』の続編で人工心臓の話を書こうとしていた池井戸氏に社長の熱い思いが届き、『下町ロケット』の続編「ガウディ計画」が出来上がったこと
・現在、心臓修復パッチは2021年に薬事申請をし、「パッチの製品化」という夢に向かっていること
秘書の方は最後に、私自身高校時代は大学に行くことがゴールだと思っていたけれど、その考えが違っていた。君たち高校生は、もっと先を見据えて、どんな仕事をして、どんな社会貢献をしていこうかとイメージすると、自分の将来について具体的に考えられると思う、というメッセージがありました。
質疑応答がありましたが、Fさんが、「大学で学んだことが今どのような形で生かされていますか」と質問しました。すると、「私は、文系で経済学部へ進み、今の仕事とは全く違う学部でしたが、経済を学ぶことで社長や上司の考えや会社の目的や向かう先を理解することができるようになったと答えてくれていました。学部にとらわれず、社会貢献の形は様々な形があることを伝えたかったのかなと思いました。
私自身、下町ロケットなど、池井戸潤さんの作品が大好きなので、非常に興味があり、授業に参加しました。「夢見る気持ちが原動力」というキーワードは心に残りました。生徒達も大変貴重な機会となったようです。